『男のスーパーカタログ(スコラ社)』制作現場で学んだ「テープおこし」

『男のスーパーカタログ(スコラ社)』制作現場で学んだ「テープおこし」

『男のスーパーカタログ(スコラ社)』制作現場で学んだ「テープおこし」

自分の手がけた仕事や編集に関する記憶を振り返りつつ、印象に残ったことを書き残していきます。

第3回目も最初に手がけた本格的なムック本『男のスーパーカタログ(スコラ社)』で経験した作業の続きです。



「テープおこし」は時間の無駄! しかし必要な理由もある

入社してすぐにやらされた仕事のひとつに「テープおこし」がありました。

やらされたといっても、幸か不幸か少しだけでした。

実際、一字一句の録音を書き出す作業はあまり意味がありません。

そういうのがわかっている先輩と巡り会えたのはラッキーだたっと思います。

 

「テープおこし」作業に意味がないなんて、そんなことない!

 

そう思う人もいるかもしれませんね。

 

しかし、私は基本的に「テープおこし」反対派です。

 

そもそも取材で集中して話を伺い、ポイントをメモってしまえば、だいたいの原稿など出来上がってします。

できるライターさんほど、録音なんてしないで原稿を書かれていました。

あくまでも録音なんてものは相手の言葉のニュアンスを確認する程度のものでした。

 

それが王道だと思います。

 

なので、取材した後にわざわざ一字一句を書き出してから原稿を書く人は、はっきり言って「時間をイタズラに無駄にする無能な人」と思ってしまいます(ちょっと暴言)。

しかし、「テープおこし」が必要な時もあります。

それはどんな時だと思いますか?

 

 

 

誰かに発注する時、データ原稿として残したい時は「テープおこし」が必要

取材が山ほど続くと、当然のことですが、一人で原稿を書き上げるだけの時間がなくなります。

そこでライターさんに原稿を発注することになります。

こんなときには「テープおこし」が必要となります。

原稿の展開や構成のポイントだけ指示して、あとは「テープおこし」の原稿を添えて発注するわけです。

また、将来的に一冊の本にまとめたいとか、一回の記事で終わらない可能性がある時には、やはり正確な取材記録として「テープおこし」をしておきます。

現在は音声データなので保管もラクですが、テープだと劣化しますから「テープおこし」しておかないとダメになったり、紛失したりしますので。

あ、もちろん芸能人や有名スポール選手の引退会見など、一字一句を誌面に載せたい場合は必要ですね。これは言うまでもありません。

だいたい上記3つに当てはまらなければ、「テープおこし」などは不要です。

原稿を書いている時に「ちょっとニュアンスを確認しようかな」というくらいに聞く程度で問題ありません。

それができない人は、編集者やライターさんには向いていないので、違う道に進んでください。

 

 

 

<おまけ>「テープおこし」の仕事はオススメしない! その理由は……

調べてみると、「テープおこし」の仕事はまだ生き残っているようです。

多分、在宅ワークでも安い金額でやりとりされていることでしょう。

仕事にケチつけても仕方ありませんが、「テープおこし」の仕事はオススメしません。

なぜなら、すべての録音がキレイな状態だとは限らないからです。

雑音が多く聞き取りにくいとか、発音が汚くて意味不明とか、そんなのに当たったら最悪です。

他人に「テープおこし」を頼むような人(会社)は、録音に対する真剣さも適当な場合が少なくありません。

いや、そもそも音声データをテキスト化できる時代です。それを活用しないような会社自体、もうダメです。無能です。甘い気持ちで付き合うとヤケドします。ケガします。

きっと……苦労するだけです。

 

なので「テープおこし」の仕事はオススメしません。

 

余計な話でした。

では、また!



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